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ファシリテーション活用支援プログラムのこれまで

【ファシ活編Vol1】ファシリテーション活用支援プログラムが始まってすでに6年が経過しました。長年関わっていただいている東京支部の梅谷さんから、これまでの動きについてのレポートです。


  東京支部の梅谷です。ファシ活(ファシリテーション活用支援プログラム専門委員会)委員です。

 

まず、わたしが活動しているファシリテーション活用支援プログラム(以下ファシ活)について簡単にご紹介したいと思います。

日本ファシリテーション協会(faj)はファシリテーションの普及の実現に向けていくつかの事業を展開してます。

ファシ活はその中で社会的に意義ある場でのファシリテーションの活用をサポートする支援・普及事業に位置づけられ、①非営利事業であること、②公開性が担保されていること、③実施までに3~4ヶ月の時間的余裕があること、の3要件を満たしかつファシ活委員会での検討・認定を経て、お申込みいただいたワークショップや研修などでの支援普及活動を行っています。

 

さて、詳細な活動報告は、各年度ごとのファシ活報告書をご覧いただければと思いますが、ここ最近のファシ活の活動については以下のような傾向となっています。
 

〇大学教育関係:

中国地方や東北地方の大学医療系大学院から医師、看護師、職員、学生の研修の相談をいただきました。今、医療系だけでなく大学教育の場でFD(Faculty Development)の取り組みが進みファシリテーションが注目され始めています。
 

〇子育て関連:

関東の保育園などから、園長始め職員と保護者とが保育環境改善のためにファシリテーションを導入して話し合いの場を変えたいとの相談が増えています。
 

〇地域団体など:

九州の青年会議所(jc)から観光開発をテーマにjcメンバーや市民の意識変容に繋がる会議支援の相談がありました。また、今後は、防災、福祉、環境、教育、高齢者問題、人権問題など地域での課題を話し合う“場”でファシリテーションニーズが高まって来るように思います。
 

〇まちづくり全般:中部地方や東京都の社会福祉協議会、及び東京都下の公民館などから地元市民や関係者のまちづくり活動活性化のためのファシリテーション研修のお話をいただき、場づくりを進めました。
 

〇その他:関東の大学からは熟議型世論調査という新しい世論調査を日本で初めてのWeb調査で実施する、ついてはWeb上での市民同士の熟議の場づくりを担当してほしいというものでした。

 

以上、様々なところからいろんな相談をいただき、認定結果を受けて実施しました。実施後のアンケートからは、「楽しかった」、「初めて意見を言えた」、「時間を短く感じた」、「予期せぬ観点からの意見があり大きな気付きをいただいた」、「こんなやり方を早速自分もやってみたい」等々、ファシ活として関わって良かったという実感とファシリテーションの可能性について改めて確信を持ちました。


ファシ活への相談はファシリテーションの普及に伴って年々増加していますが、新たな課題も生まれています。その一つがファシ活で支援した案件でその後、ファシリテーションの芽は育っているか、ということです。これについてはファシ活委の中でも“継続”の視点で案件をコーディネイトし、例えば地元にファシリテータークラブを創り育成を図るなどの取り組みも始まっています。
ファシリテーションの裾野が拡がるにつれファシリテーション研修を形だけしか望んでいないのではないかと思われるケースでも、粘り強くより深くファシリテーションを理解していただき、せっかくの機会を活かしていただくような取り組みも進めています。

 


 

さて、わたしは二つの視点でファシリテーションに夢を持っています。
一つは“市民参加の社会”実現にファシリテーションは役割がある、です。
価値観の変化から崩壊しているとも言われる地域コミュニティの再構築には、地域住民の積極的参加と新たな場づくりが欠かせません。それを可能にするのがファシリテーションだと考えています。
二つ目は“シニアの活性化”が社会に新たな可能性と活力を生む、です。
高齢者問題は社会の負担として捉えられることが多いのですが、視点を変えると新たな可能性が見えてきます。豊かな知識や経験を再活用できる場は必ずあります。シニアのみなさんがファシリテーションを知り、触れることで新しい気付きが生まれと確信しています。


自治会やNPO、あるいは防災、福祉、教育、環境、育児、など様々なテーマの話し合いで行き詰まりが見られます。参加して良かった、自分の役割があった、次回は積極的に参加しよう、というリピーターを育むことで初めて地域の生まれ変わりが実現可能性になるでしょう。

 

ファシリテーションの普及の中で地道に向き合ってきた梅谷さん、いつも言葉数は少ないながら、役割とあらば全国に飛びまわっています。梅谷さんが、これからのファシリテーションの可能性に期待している姿を垣間見ることができました。

寄稿本当にありがとうございました。(編集部)

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