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現場にいるからこその気づき、提案してさらによいサービスにしたい
兵庫県神戸市からは、アウトソーシング業でファシリテーションを実践されている青波ゆみこさんです。特にファシグラの活用について御自身の実践を聞かせてもらいました。
Q.まず、あなたのことを教えてください。
青波ゆみこです。FAJでは「ナミ」と呼ばれています。
私は、いわゆるITアウトソーシングの会社に所蔵しています。
お客様先の企業に常駐して、システムのサポートやトレーニングを提供する仕事です。
Q.今回、ファシリテーションの実践事例を紹介いただけるとの事ですが、どのような実践をされているのでしょうか?
私が、ファシリテーションを本格的に学びだしたきっかけは、コールセンターオペレーターの研修を担当したことでした。
システムの操作は最適解がありますが、電話応対は正解がありません。そこで、オペレーター自らが考え、答えを作り出す研修を作りたいと思いました。
研修へのファシリテーション導入については、今考えると不十分なものだったかもしれませんが、あるシチュエーションを例示し、その場に適した言い回しをチームで話し合い、作り上げてもらうワークをしました。
決められた台詞を覚えて使うことが多かったこれまでの研修と比べると、これでも画期的なことで、オペレーターが自ら実際に使える対応例を作るなど、成果を上げることができたと思います。
もうひとつ、私の中でとても有効だと感じているのは、会議でのファシリテーショングラフィックです。
当時のお客様先ではホワイトボードに書く習慣がありませんでしたが、それを「議事録に間違いがないようにしたい」との理由をつけてホワイトボードにどんどん書き出して行くようにしました。
Q.ナミさんといえばファシグラ実践者のイメージがあります。具体的なエピソードを教えてもらっていいですか?
ファシグラをしながら、少しずつファシリテーターとして介入していった会議がありました。
コールセンターは各部署の利害関係がぶつかりやすく、なかなかアクションにつながらない会議が多いのですがこの時は違いました。
参加者の一人が感じ入ったように「…決まったなあ…!」と最後におっしゃったことは忘れられませんなにせ、その方はご自身の話しかしないある意味「困ったちゃん」タイプでしたから。
私がしたことは、発言の内容をホワイトボードに書き取り、不明な点を確認していくというオーソドックスな進め方でした。
会議をリードする役割ではなく、あくまで記録をとるという体で進めていたのですが、書き留めていくだけでも最後にはそれぞれがとるべきアクションがはっきりボードに浮かび上がっていたのです。
また、会話の調子・感情といった数値化しにくい基準でオペレーターを評価しなくてはなりませんが、その点でもファシグラは役に立ちました。
Q.ファシグラを活用しての評価基準作成について、興味津々なのですが、どんなイメージでしょうか?
守秘義務の観点からあまり詳しく説明できなくて残念なのですが、録音から会話の場面を抜き出し、そこから受けた印象を2軸で整理していったり、ラクガキや図を交えつつ会話のぶつかる度合いや印象を整理していったというような感じです。
ファシグラを活用した結果、非常に納得度が高い評価基準を作ることができました。
よく「ファシグラは空中戦を地上戦に持ち込む技」と言いますが、まずペンを握ることが制空権を握ることと言えるのかもしれません。
話し合いは決して戦いではありませんが、ペンを持つ、それだけで場のリーダーになれると実感しています。
(会話が)「かぶさる」「かぶせる」の違いをイメージラクガキにして、全員の認識を合わせた。
Q.ナミさんの実践の結果、周りの人達にどのような変化があったでしょうか?
少なくとも、先のお客様先には書く文化を残してくることができたのではないかと思います。
会議室に入ったら、ホワイトボードをセッティングしておいてくださるようになりましたから!
アウトソーシング業はコンサルタントとは異なり「言われたことをやる」だけにとどまりがちな体質です。
しかし、現場にいるからこその気づきは非常に多く、提案してさらによいサービスにしたいと思っています。
ファシリテーションのスキルはそれを可能にする、と同僚が少しでも思ってくれていれば幸せです。
Q.ナミさんの今後について教えてください。
個人的には、グラフィックレコーディングの実践に力を入れ、フューチャーセッションのお手伝いなどをしています。
せっかく身につけたスキルを自身のビジネスだけではなく社会貢献のために使う、と、自分のミッションが少し見えてきたような気がします。





ナミさん
青波ゆみこ(ナミさん)
兵庫県神戸市在住
【プロフィール】
会社員しつつファシリテーショングラフィック実践者。そして、文具好き。
ファシリテーターとして文具へのこだわりを綴った「ファシリテーション文具案内」文具好きのみならずファシグラに興味をもった方は是非覗いてみてください~。